神田神保町について

1ヶ月ぶりにドラムの練習へ。
レッスンもいつの間にか俺と中3・高1の男の子の3人になっていた。
他の二人がまだ中高生かよ……若いなあ、おい。
先生なりに自分のモチベーションを心配してくれたのか、今日は曲練。
ROLLING STONESのHONKY TONK WOMANと、NICOLETTE LARSONのCAN'T GET AWAY FROM YOU。
久々にドラムキットに腰を下ろすと、何だかドキドキしますな。
しかし今年のこれまでのペースじゃ年に12回ポッキリしか腰を下ろさんわけで、これからは仕事を理由にすることなく、もうちょっとマジメに自主練しようと思います。
その後は「ミラクル商會」で雑誌と譜面を読みながら、ちびちびと。
このコース、火曜日のお決まりになるかもしれん。


その「ミラクル商會」で読んでいた雑誌、今月の「自遊人」は神田神保町特集。
この「自遊人」という雑誌、以前は内容が濃くて毎回買っていたんだけど、最近はあまり触手が伸びず、ご無沙汰でした。
しかし、今月の特集はなかなかいい。
中学生の頃、地理の授業で夏休みに自由研究の課題を出されたことがある。
「好きな街を調べてレポート10枚」。
俺が友達と調べたのが、ここ神保町だった。


神保町といえば古本屋。
中学入学後3ヶ月で先輩とそりが合わず、さっさと部活を辞めた俺にとって、神保町は格好の暇つぶしの街だった。
歩いているだけで飽きない。ちっちゃな古本屋に入り、おもしろそうな本を手にとってみる。
それを繰り返しているだけで、時間はすでに夕方を過ぎ、夜へと差し掛かる時間だったのを思い出す。


そんな神保町の古本屋を巡り、古本屋マップを作ることにした中学生の俺。
気になる古本屋の店主にインタビューしたりもしたのだが、そこは不真面目な俺と友人のこと。
そそくさと取材を切り上げ、テキトーな地図を完成させ、一日の大半をゲーセンで遊んでる始末だったのだけれど。


高校1年の時には、神保町にある予備校に通ったことがある。
英数国で週3回。確か17:30〜20:00までの授業だったような気がする。
しかし、だいたいが高校1年の時分から大学に向けてなどマジメくさって勉強するわけもなく、とりあえずはクラスにいる女子高生&先生ウォッチング。
つまらん数学の授業中に、古本屋街で買ったいしいひさいちのマンガを読んでいたら、先生に見つかって「出て行け」と怒鳴られる。仕方ないんで出て行くことにして、二度と予備校には立ち寄らなくなった。
以来、学食だけはちゃんと利用させてもらうことにして、あとは毎週神保町をプラプラと。たまに東京ドームに日ハム戦なんかを観に行ったりした。
無論、親はちゃんと予備校に行っていると思ったことだろう。


神保町が教養という意味で自分の役に立ったのは、大学のときだったのかもしれない。
当時の俺は立原正秋の世界にどっぷりハマっていて、読んでいない作品を古本屋で物色し、見つけるとすかさず買いつけ、読み耽っていたのだった。
神保町の古本屋で買った文庫本もかなり多いはず。


どういうわけか、神保町とは今でも縁が深い。
今の会社に転職してから、担当した最初の大きな仕事が神保町にある某会社との取引。
また系列会社が御茶ノ水にあることもあり、出張の機会も多い。
後楽園ホールに足を運ぶときも、たいてい神保町の駅から歩いて青ビルへ。
そんな折、神保町の古い街並みを歩いていると、何だか非常に落ち着く。
あのごみごみとした、古い建物が残る街並みが、自分の体内時間に合っているような気がする。


ところで、神保町といえば、やはり「いもや」である。
中学生の頃、友人と神保町の町をブラブラしていて、この街にはそこかしこに「いもや」という店があることを知った。
路地を覗けば、ここにも「いもや」。あそこにも「いもや」
「いもや」というのは、カウンターだけの天丼・天麩羅屋。
初めて入ったのは高校生のときだったか。確か天丼が550円で、天麩羅定食が600円くらい、あとは海老天丼があって、メニューにはそれしかなかったような気がする。
大盛を頼んで残すと、罰金を払わなきゃいけないんだっけな?
今でも神保町に行くと、「いもや」の天丼が無性に食いたくなる。


話を元も戻して、今月の「自遊人」、そんな神保町の昔からの古本屋が充実。
「奥野かるた店」とか、懐かしいなあ……
それ以外にも、神保町の喫茶店や文士ゆかりの店など、なかなか興味深い特集で、読み応えがあった。
(しかし、「藤子不二雄」が「文士」ってのはどうかと思うんだけどね……)
2月に後楽園ホールに行くときは休日にして、試合までしばし神保町散策もいいかなあと思った次第。