33歳と、22歳

昨日は試験後に新横浜で部課長&部下と飲んでしまい、早めに退社。
今日も1ヶ月ぶりにドラムの練習に行きたいので、早めに仕事を上がりたい。
仕事がテンパるのを見越しての早めの出社……だったのだが、いやはや、一向に手のつかない仕事が、残るわ残るわ。
しかも今週はなかなか事務所で働く時間が確保できそうもない。
明日(というか、今日)は朝から静岡県三島市に移動、午前中にかなりヘビーな会議があり、昼休みをはさんでまた会議。終了予定は19:00だが、さてどうなるか。
そのまま三島で宿泊し、次の日は終日人間犬。
ま、どこも悪くないと思うんだけどさ。
金曜日は入稿日。この日にある程度仕事を片付けようと目論む。
土曜日の午前も仕事を進められそうなのだが、午後から大学時代の後輩の結婚式に出席するため、山梨県甲府へ。
日曜日は休みだし、秋らしく昇仙峡あたりで紅葉でも。
そんな残された今週の見通しを立てつつ、床を転がるチョロQのように(←古いな)働いたつもりなのだが、最後までドタバタでタイムカードをピッピ。
やばい……確実に練習に遅刻だわさ。


ドラムセットに腰掛けたの、1ヶ月ぶり。
先週は部署の打ち上げで記憶をなくしていたし、その前は仕事が忙しくて練習できなかったし、その前はレッスン、休みだったし……。
家でも全然練習していなかったから、リズム感を取り戻すだけで精一杯。
ちゃんと練習しろってことだね。反省。


さて、今日は練習明けに約束があった。
8月まで一緒のクラスでレッスンを受けていたY君が、飲みにでも行きませんかと誘ってくれたのだ。
Y君は実は俺よりひと回りも下の22歳である。若い。そして、ドラムはめちゃくちゃ巧い。
教室に通い始めてまだ間もない頃、クラスには俺とY君しかいなかったにもかかわらず、実は俺らは会話をしたことはあまりなかった。
俺、こう見えて結構人見知りするほうなので(酔うと往々にして逆になるのだが……)、何を話していいんだかわからなかったってのもある。
ところが、ひょんなことから、彼との会話は始まった。


ある日の練習で、俺のクリアケースの中には、株に関する雑誌が入っていたのだ。
それをレッスンの先生が見つけた。「ぽんちゃん、株、やるの?」
先生と俺の会話を聞いていたY君、実は自分も株をやってみたいと思っていたという。
そこから、練習前や練習後に、株の話をするようになった。
8月に教室を辞めてからしばらくして、「いよいよ俺も本格的に株やります」と電話をくれたY君。
お互いに相場や銘柄の話を電話でするうちに、飲みにでも行こうや、という話になったというわけである。


実はこのY君、元ホストという異色の経歴を持つ。
全然そんなふうに見えない奴なので、最初に聞いたときは驚いたのだが……。
俺の周りにはいろいろな友達がいる。いてくれる。
しかし、元ホストという経歴を持った友人ができたのは、今回が初めてである。
ホスト時代は辛かったと言う。無理やり酒を飲まされ、飲み、トイレで潰れる日々。
高校時代から付き合っていた彼女には、何度も泣かれたという。
そして、店舗主任を任されようかという時に退いたホスト稼業。
現在ではまったく酒を飲まない彼。今日ビールを口にしたのも、実に久しぶりのことだとか。
当時の彼女とは今でも付き合っているという。もう5年になるのだそうだ。
「高校生のときは学校でファンクラブができちゃうほどかわいかったんスよ」惚気るY君。
純朴なその笑い顔には、そんなこれまでの人生を垣間見ることはできない。


話は株の話へ。
今は朝7:30には起床し、ニュースを見て、9:00前にパソコンを立ち上げてトレードを始める日々なのだそうだ。
俺なんかより熱心に相場を見ていることが話からわかる。すごいね……
何より今は研究し、投資することが面白くて仕方がないのだそうだ。
彼の偉いところは、目標がありながらも「今は勉強の日々っスから」と、至って謙虚に話すところだ。
株を通じて学ぶことってたくさんある。
成功もある。失敗もある。
でもそこから、財務も、経営も、戦略も、世相も……研究すればいろいろな知識がついてくることは確かだろう。
この点では、パチスロなどのギャンブルよりも、実務的な広がりがあるように思う。
まだまだ長い彼の人生で、株を通じて得た知識は、必ず役に立ってくる。
そして知識が身につくのに一番必要な姿勢は、今の彼のような謙虚さなのだろう。
「日々勉強」。
若干22歳で、なかなかしっかりしてるよ、Y君。


「また、飲もうぜ」
握手を交わし、別れた俺たち。
赤髪のおっさんも負けないように勉強しないとなあ。
ドラムも、株式投資も。
そして人生そのものが、日々勉強の連続。
ひと回り下の友人に、そんなことを教えられた今宵。