関東大学ラグビー対抗戦 早稲田大学×慶応大学

早稲田大学54-0慶応大学●


今日は天気が非常によく、夕方までは汗ばむほどの陽気だった。
今回は自由席で観戦だったため、試合開始1時間半前から席を確保するために並んだのだが、お客さんの出足も速い。
試合開始時には自由席まで満員札止め。この日、秩父宮ラグビー場に集まったラグビーファンは、実に2万3800人だったそうである。
心なしかスタンドの学生も例年に比べてにぎやかだった。
春に六大学野球を観戦したときにも感じたのだが、学生スポーツ復興の足音が聞こえるような気がする。


さて試合だが、今日は早稲田の圧勝。完璧な試合だった。
前半は敵陣に入り込みながらもなかなかトライを奪えなかった早稲田、これは慶応のディフェンスがよかったことに起因する。
タックルは正確だったし、早稲田の球の出方をよく研究していたと思う。
前半30分を過ぎても今村の1トライのみで、スコアは7-0。
ここで、慶応にチャンス。ゴール前5mラインで、慶応ボールのスクラム
今日の試合は、このスクラムを早稲田がしのぎ、得点を与えなかったのが大きかった。
前半終了直前、早稲田が圧巻のプレーを見せる。
122kgの巨体プロップ・畠山が中央を突破し、フッカーの青木につないでのトライ。
フォワード2人によるバックス顔負けのトライで、14-0。
これで早稲田は完全に勢いに乗った。


後半はまさに早稲田ラグビーの独壇場。
今村が、五郎丸が、矢富が、縦横無尽にフィールドを走り回る。
そして五郎丸のゴールキックが、距離・角度を諸共せずに正確に決まる。
スタンドの到るところで起こる「紺碧の空」。
後半終了直前、慶応も最後の意地を見せたが、結局はノートライ・零封。
前半の苦戦はどこにやら、8トライ7ゴールを決めての早稲田の圧勝だった。


今日の早稲田は非常に出来がよかった。
ケンブリッジ戦もそうだったが、今年の早稲田のフォワード陣は、強い。
最強といっても過言ではない。
スクラムに自信を持っていた慶応をまったく寄せ付けず、押しまくっていた。
さらに「走れる」「得点できる」フォワード。
今日は畠山〜青木へとつないでのトライだったが、畠山は対抗戦に入り実に3トライをあげているし、ロックの内橋もトライを獲りにいける力を持っている。
この早稲田の前列は、今や絶好調。
大学には敵なしという感じだ。
また、バックス陣も調子を上げてきている。
帝京戦で欠場した今村・五郎丸が復帰し、予想通りの活躍。
とくに五郎丸は春〜夏の不調がウソのように、プレーにキレがある。
スクラムハーフ・矢富は去年とは打って変わっての、自信に満ちたプレー。
後半のトライは軽快なステップで慶応ディフェンスを交わした、見事なものだった。
早稲田であえて心配な点を上げるとするならば、まずはウイング・首藤。
いつもの忍者のようなステップがなく、慶応ディフェンスに捕まる場面が目立った。
あとはスタンドオフ・曽我部のパスが、いまひとつ正確さを欠いている。
パスの速さは光るのだが、距離感がいまひとつ。


これで早稲田の対抗戦優勝が決定。
12/4(日)はいよいよ早明戦だが、明治が慶応に敗れていることを考えると、
今年は大差がついてしまうような気がする。
伝統の一戦で、明治は意地を見せられるのだろうか。


打倒社会人上位チームを標榜する早稲田。
今日の試合を見る限り、この冬は早稲田ラグビーを長く楽しめそうだ。