DOKKEN「HEAVEN SENT」

今さらながらYoutubeではまってるPV。このクリップは何度見てもカッコいいんだよなー。
硬質感のある曲調が醸し出す雰囲気がまさに静かな夜で、月が出ていて……
ヘタクソなボーカルをやりながら思う。そうか、ハードロックのボーカルは、こうじゃなきゃいかんのか。なんつって、DON DOKKENみたいな声なんぞ、ふつうじゃ出ませんわな。
DONと確執の話が絶えなかったGEORGE LYNCHのギターも、今になって聴いてみるとちゃんと「チームプレーなギター」だったりする。
うちのバンドのギターが「ギターはあくまでバンドの一部」みたいなことを言っていたんだけど、この曲のギターはまさにバンドの一部なわけで、だからこそこの曲の荘厳な世界を演出できてるんだろうな。


高校生のころ、俺は進学校に通っていた。だけど、まったく勉強なんぞはしていなかった。
何で大学に行かなくちゃいけないのかもわからず、仕方ないので大学を受けた。ベビーブーム世代。そんな奴を受け入れてくれる大学なんぞ、あるわけもなく。
7校を受験して、6敗。最後の合格発表にも可能性はほとんどない。それでも大学まで発表を見に行った。3月だというのに、冷たい雨の降る日。当然、自分の受験番号などそこにはなかった。
革襟付きのコートを着て、また家へととぼとぼ帰った。そのときに、この曲を聴いていた。


「HEAVEN SENT」――神様。


今でも俺の生き方は変わっちゃいない。何のために仕事をしているのか。なぜ自分は働いているのか。会社とは?
長くなった挫折からくる煩悶と苛立ちを抱え、引きずりながら、自分の隣にはいつもいる。音楽というもの。


この曲が収録された「BACK FOR THE ATTACK」が発売されたのは、1987年。DOKKENで最も売れたアルバムだったそうである。
どこか落ち着きがあって、でもサイケデリックなジャケットも、とてもカッコいい。